FC2ブログ

スポンサーサイト

 --,-- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ザ・ロード【小説】

 29,2009 04:13
壊れてしまった世界の中での、父子の物語。

【<言葉>が好きな人推奨。起承転結のない平坦な話が苦手な人には非推奨。ヴィゴ・ファン推奨。もう、映像が目に浮かぶぞ(笑)】


ザ・ロードザ・ロード
(2008/06/17)
コーマック・マッカーシー

商品詳細を見る




ヴィゴ・モーテンセン主演で映画化済み。
本当は昨年か今年に公開されるはずだったのが、まだ延び延びになっています。
世界同時大不況で暗い時に、こんな暗い映画は受けない、という理由で公開が延期されたと聞いたんですが、本当なんだろうか。


原作は、ピュリッツァー賞受賞作家のコーマック・マッカーシー。

さてこの翻訳版。
文体が絶妙。素晴らしい。
原書を読んでみたい気持ちにさせられます。
↑って、まだ原書は読んでないんだけどさ(^^;

極端に句読点の少ない、最初は読みにくい文章です。
でも、進むにつれてこの文体がいい感じです。
パサパサと乾ききっているような文章が、世界観に非常に合っている。


物語の舞台はアメリカ。
崩壊してしまったアメリカ西海岸あたりです。
ほとんど死に絶えてしまったような土地で、海を目指してたった二人きりで移動していく父子のお話。

あまりネタバレもなにもない話なんですが、いちおう分けます。


以下ネタバレ。




起承転結のあるような話ではなく、延々と暗い、寒い世界を歩いていく父子の会話そのものが主題となる本です。
言葉が美しい。
この本で、翻訳者がひどかったら、本当にどうにもならない内容にされているでしょうね。

原書と読み比べてないし、私の英語力ではおこがましくてどうこうは言えませんが、翻訳者の方は、非常によいお仕事をなさったのではないでしょうか。


父子は、ふたりきりで海を目指しています。
歩む世界は焼けただれ、壊れている。
でも「これが原因で世界が壊れました~!」という説明は、本文中一切ありません。
まあ読んでいると、核戦争かなと思われるようにはなってるんですが。

極寒で、食料のほとんどない世界。
父子は少しでも生き延びる道を求めて南のほうの海を目指すわけですが、これでもかというほど神経磨り減る旅路です。

ショッピングカートになけなしの必要な物品を詰め込み、黙々と歩く。
前半はほんとうに淡々とそれだけなんですが、中盤以降、ちょっと波風立ってきます。
食料の奪い合いやら、カニバリズムやらがあり、生きてる人間にたまに出会っても、まったく気を抜けない状況なわけです。

そんな中でも息子に生き残ってほしい父と、そんな中でも純粋な息子との会話そのものが、この本の核です。
なので、そこんところに魅力を見いだせないと「話が全然進まない、わからない、つまらない」というような感想になります。
実際、そういう感想を書いている人もいるしね(^^;


とりあえず、息子を守りながら旅をするお父さん。

アテ書きのようにヴィゴにぴったりΨ(`∀´)Ψ


息子役のコーディくんもかわいいし。
映画版、ナイスキャスティングです。


まあしかし、どんなに映像やキャスティングが良かろうと、映画のほうを待つのでなく読んでみてもいい本だと思います。
小説には、小説でないと表現できないものがある。
文章や言葉の美しさや、喚起されるイメージや、行間などなど。

個人的には、その最たる作品が「アルジャーノンに花束を」だと思っていますが、この作品も、そういうものを楽しむ小説です。
↑楽しむっつーか、楽しい話じゃないけどね(^^;


【追記】

海外ではようやく映画のプロモーションが始まっているようです。
日本にはいつくるだろう~。
ってか、公開されるだろうか(^^;



Comment - 0

Latest Posts

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。