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かいじゅうたちのいるところ【映画】

 29,2010 00:10
かいじゅうに泣かされるとは思わなんだ(^^;

【結構全方向にお薦めしたいですねぇ。ああでも、「NANA」あたりを好きな人にはお薦めしづらいのかとも思う。】


「かいじゅうたちのいるところ」公式サイト



着ぐるみに泣かされましたよええまったくΨ(`∀´)Ψ

原作絵本は、非常に単純な短いお話なんですよ。
どっちかってぇと「マックス、おいっ、王様だって自分で言っておいてそんな投げっぱなしな!(^^;」的な?

あれをどうやって2時間の映画にするんだろう。
かわいいだけの映画じゃないのか?と思っていたんですが、さにあらず。
スパイク・リー監督、見事にふくらませていました。


以下ネタバレ。





マックスは末っ子長男。
年上のお姉ちゃんがいるけど相手にしてもらえず、母子家庭なので仕事に忙しいお母さんもそうそうマックスばかりに構ってはいられない。
お母さんがクビになりそうで悩んでいるなんて大人の事情は、マックスにはわかりません。

それでもお母さんのことは大好きで気にかけており、多分大変なんだろうなとわかっちゃいるけど、まだお子様。
時々フラストレーションを爆発させて暴れたりするわけです。
ある時ついにお母さんをマジで怒らせ、ケンカの勢いで家を飛び出してしてしまいます。

飛び出した先で見つけた船に乗って荒海を航海し、マックスが辿り着いた島にはかいじゅうがいたりして。
マックスは食べられない為に思わず「僕はきみたちの王様だ!」とぶち上げてしまい……というお話。


つまりはそのかいじゅうアイランドはマックスの心の世界ということになりますので、出てくるかいじゅうさんかいじゅうさん、どこかマックスのまわりにいる人々の面影があります。
暴れ者のキャロルなんかは、モロにマックスの投影。

そのかいじゅうさんたちとのやり取りの中で、マックスはなにかに気づき、最終的には王様をやめて心配する母の待つおうちに帰っていくわけです。


これがよくできた脚本でねぇ!(≧▽≦)
すごくセリフ自体は少ないんです。

起こる現象に対して、マックスもかいじゅうさんたちもいろんな事を考え、行動するわけですが、心理描写は台詞としてはほぼ出てきません。
彼らの思いは、見る側が共感し、推し量るしかない。

「NANA」好きな人に向かないかなというのは、このあたり。

「NANA」って、人気の理由が、心理描写もなにもかもト書きとモノローグですべて書いてあるところだと言われていたじゃないですか。

ちょっと前に、子供に「人間の表情はこういう意味!」と教える学校があるというようなニュースを見たことがあります。
こういう表情の時は、人は怒ってるんですよ、楽しんでいるんですよって、そういうことをわざわざ教えるそうですよ。
↑教育として終わっているだろう、それ(^^;

共感力や、人の心理を推し量る能力が低下したと言われて久しい昨今。
心情もなにもかも口に出して説明してもらわないと解らないという人には、この作品は非常に不親切な映画です。
なんにも説明しないから。

でも、マックスもかいじゅうさんたちもとても情感豊かで、もちろん揺さぶられる人間も多いでしょう。

そのあたりがきっと評価の分かれ目(笑)。
見る人によって、ずいぶん感想変わりそうだ。


「王様だーっ!」とぶち上げて、最初は調子よくうまくいってたマックスとかいじゅうさんたち。
でも、だんだんとかいじゅうさんたちが期待することを、マックスはやってみせられなくなります。
最初から嘘なんだから、当然なんだけどね(^^;


相手は、一歩間違えば自分を食うかもしれないかいじゅう。
でも遊んでる時は楽しい。
ころころのダンゴ状態で寝てくれるし、一緒にいてくれる。
でも、自分は本当は王様じゃないから、期待に応えられない。

そのあたりの、微妙な緊張感を保ったまま進むあたりも絶妙です。

期待されて応えられないのはつらいよねぇ。
自分の嘘が発端で、相手を傷つけたくないならなおさらだ。
ついでに、本当のことがバレて暴れられたら手に負えない相手なわけですよ。

そう言う状態で、マックスは自分にできることをし、言えることを言い、まあ、大ハズシもするわけです。
共感することも覚え、かいじゅうさんたちを思いやるようにもなる。


かいじゅうさんたちの表情も行動も、とてもイキイキしてます。

一番最初に予告を見た時には「なんじゃ、この着ぐるみ映画!?」と思ったんですが、本編見てみれば、着ぐるみ感はあまり気になりません。

つか、むしろかわいい。
めちゃめちゃ飛んだり跳ねたり森の中疾走したりするくせに、ほどよくどんくさくて(笑)。

マックスがかいじゅうたちとドロだんご投げしたり、戦争ごっこしたり、上からどっかんどっかん乗りかかられたりするシーンがあるんですが、それのスピード感と勢いったら!

死ぬ死ぬ。
かいじゅうはよくてもマックスが(^^;



かいじゅうたちの間でも厄介者扱いの暴れん坊のキャロルと、彼にめいっぱい自己投影するマックス。
キャロルの願いを叶えたいのに、キャロルが王様に望むことや期待が大きすぎて、どうしようもなくなります。
身の危険を感じて、他の部屋で寝ようとすればそれさえもキャロルの気に障る。

立派な砦も作り、みんなで仲良く一緒に暮らしていけるはずだったのに、結局それは夢で終わってしまいます。

「みんなで仲良く一緒に」。
キャロルが望むのはそれだけなのに、それがうまくいかないんですねぇ。
ちょっとでも自分の思い通りにいかないとすぐにカンシャクを起こすキャロル自身が、まあ、一番の問題児ではあるんですが(^^;

「なんでうまくいかないんだろう」と、悲しくてどうしたらいいかわからず、で、とりあえず衝動のままに暴れて事態を悪くする。
解ってもらえないとより悲しくなって、もっと暴れる。
暴れて遠巻きにされちゃう自分に自己嫌悪して、もっと暴れる。
ああ、悪循環(^^;

まあ、そういうかいじゅうと折り合いをつけていくことが、大人になるってことさ(笑)。


マックスとキャロルのお別れシーンに泣かされましたΨ(`∀´)Ψ
大人も子供も見るがよろし。


不安定なのに行動力があり、お子様であるがゆえに否応なく前に進むマックスと、ある意味諦観に満ちた、塵になりゆく島に住む凶暴で優しいかいじゅうさんたちの、情感に溢れたお話です。



【追記1】

怒りまくっているキャロルから隠すために、KWが自分のお腹の中にマックスをかくまうシーンがあるんですが、あの対比で腹ん中に収まるということは、あのかいじゅうさんたち、身体の中はほぼ胃袋しかないんじゃ?(笑)


【追記2】

特撮で仮面ライダーとかの中に入っている人をスーツ・アクターというようですが、この映画のクレジットではスーツ・パフォーマーになっていました。

あんだけでかい着ぐるみ来て、あんだけ激しく転がりまくるの、大変だろうなぁ。


【追記3】

後半はあまり気にならないんですが、かいじゅうアイランドについた前半あたり。
カメラの視点が非常に対象物に近いのが気になります(^^;

近くて動きが激しいもんだから、三半器官直撃な感じ。

乗り物酔い弱い人はお気をつけて~(^^;(^^;(^^;


【追記4】

「怪獣のバラード」という歌がありましてですね。

人を愛したいと願う砂漠に住むかいじゅうさんが、たつまきを泣きながら見つめたりして一念発起。
自分の住処を旅立って、振り返った後に残る自分の足跡に短い両手を振るんですよ。

でもきっと、街中に出ていったら、彼を待つのはキングコングな運命なんですよ!
↑最後はただの個人的予測。


私はあれでも泣けるΨ(`∀´)Ψ


この映画を見て、あの曲をめちゃ久しぶりに聞きたくなりました(笑)。
「みんなのうた」だったかな?


【追記5】

ちなみに、筋肉少女帯の「サボテンとバントライン」でも泣ける!

自分が仕掛けた爆弾で、少年と映画館が吹っ飛んだのをきょとんと見つめるバントライン(猫)を想像すると……っ(泣)。
↑いやだから、最後は個人的想像(^^;

この「サボテンとバントライン」。
2009年にどこぞの小劇場で舞台化されていたそうですね。
見たかったなぁ!


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