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鹿男あおによし【小説】

 26,2010 00:41
鹿変身、原作は段階的だったんだ(笑)。

【普通に読んでもおもしろいですが、ちょっと考古学とかに興味がある人には尚推奨。奈良に遊びにいく予定のある人、推奨】


鹿男あをによし (幻冬舎文庫)鹿男あをによし (幻冬舎文庫)
(2010/04)
万城目 学

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「鴨川ホルモー」に引き続き、万城目さんの関西シリーズ(?)。
今度は奈良!

玉木宏さん主演だったドラマでは、確か主人公が一晩寝たら鹿顔に変わってたんですよ。
↑ただし、他人が見ても普通の人間の顔に見えるという設定。

原作は、段階踏んで徐々に鹿顔に変わっていってました。
確かに小説ならいいんだけど、日に日に鹿に変わっていく途中経過というのは、映像的には描きにくいしCGや特殊メイクに時間もお金もかかるしね(笑)。


実は、ドラマは1話のあまりの脚本・演出のタルさに堪え切れず、2話以降ほとんど見てなかったんですよね~。
邪道なことに、最終回だけは見たんだけど(笑)。
あとからレビューとか見ていたら結構評判良かったんで、原作読み終わった機会に再チャレンジしてみるかな。

この人の小説が、すごい映像化されやすいのは、読んでてよく解ります。
ロケハンも苦労しない感じだしなー。
↑舞台が地域限定で、ものすごく具体的地名が書かれているから。

土地勘ある人なら、小説片手に順番に舞台になったところを回れます。
登場するお寺も神社も古墳も岩も、ほとんどみんな実際にありますからね。
「鹿男」には明日香村なんかも出てきますが、あそこの雰囲気は行ってみたほうがよくわかる。
万葉集とかに詠まれた昔から、あんま変わってないんだろうなぁと思えるような土地です。
まあ、もちろんピンポイントで観光地化はされてるんだけどさ(^^;
↑明日香村でサイクリング!
小説に関係ないけど、お薦めです。


次はきっと「プリンセス・トヨトミ」も映像化されることだろうて。


以下、ネタバレ。




「おれ」は、ちょっと神経質な大学研究員。
↑原作では名無しの主人公。書きにくいので、以下ドラマ版のお名前の小川先生で代用。

うっかり助手の半年かかりの実験データが入ったパソコンを初期化してしまい、研究室の中に居づらい状態になり、人からは神経衰弱と言われるしまつ。

教授のすすめもあり、不本意ながら研究室をお休みして(というか半ば追い出されて)、2学期だけの理科の先生として、奈良の女子高に赴任することに。

奈良に行けば行ったで、生徒は皆反抗的、果てはなぜか中年男の声で人語をしゃべる雌鹿にまで遭遇してしまい……というお話。

最終的には古墳や、卑弥呼や、神様や大なまずや鹿やねずみや狐が入り乱れ、すわ大地震&富士山噴火で日本沈没か?! 小川先生はそれを止められるのか???という壮大なお話になっていきます。
↑でも、わざと四畳半なお話のように描かれているけど(笑)。


読み終わった時の感想は「うん。つまり鹿くんの純愛物語ということだな」でしたΨ(`∀´)Ψ
鹿くんの、卑弥呼への時代を超えた純愛物語。

おっとこまえなんだ、鹿くんが!



これも映画版「チーム・バチスタの栄光」と同じで、主人公・小川先生のサポートにつく「かりんとう」というあだ名の藤原君というキャラが、ドラマ版では男性から女性に変更されていました。
演じたのが綾瀬はるかちゃん。
この改変はまあ、大筋を変えるようなものではなかったので、よろしいんじゃないでしょうかという感じでしたね。
性別変わっただけで、あまりキャラ自体が変わっていたようではなかったので。
バチスタの田口先生は、ドラマも映画もキャラ自体変わっていたけどさ(^^;

まあ、ただし、女性になったことで、三角関係ちっくな雰囲気は醸し出していたわな(笑)。
三角つーか、四角?
恋愛沙汰は、ないに等しいほのかなものなので、特に影響ありませんでしたが。


原作の「おれ」小川先生。
特に強烈な特徴もなく、中庸で凡庸。
周りに癖のあるキャラが多すぎるので、これはこれでちゃんと要の役を果たしています。
台風の目のような人でね(笑)。
↑自分だけ静か。

日本の命運を左右してしまう位置に立つ主人公だけど、そう激情に駆られるわけでもなく、実感がないままにでもなにかしなくちゃなぁと、動きだす人でした。
そして、動きだしたら一生懸命だし、真摯なのだ。

大なまずと大地震、それを抑える神様サイドの鹿と鼠と狐。
そこで話が終わるのかと思っていたら、邪馬台国や卑弥呼まで出てきて、風呂敷広がる広がる(笑)。
でも、話が拡散せずにいい意味で四畳半っぽく進むのは、小川先生のパーソナリティと「奈良」という限定されたお土地柄があってこそだと思います。

広げられた風呂敷も、物語的にはおおむねきちんと畳まれてるし。
畳まれてないってか、最初から投げっぱなしで読者と本人に委ねられているのは、小川先生の進退問題です。
自分で考えろってこったね(笑)。


万城目さんの作品は、安心して読めます。
個人的には「鴨川ホルモー」のほうが好きだったけど、「鹿男あおによし」のほうがいろいろ練られている感じがします。
ホルモーは映画の出来がよかったから、それに印象が引きずられている可能性も否めないが(笑)。


同年代で、同じようにヒットメーカーで、映像化作品も多い伊坂幸太郎さんのスキのない綿密さとは違い、どこか抜けているようでいて、手抜かりはないという感じですな。
キャラにせよ、構成にせよ、力の抜け具合がいいのかもしれない(笑)。
男版 高村薫vs宮部みゆきみたいな感じΨ(`∀´)Ψ
↑もちろん万城目さん=宮部さん。


「ホルモー」もそうでしたが、明らかな悪人という人はこの物語にはいません。
多分ちょっと悪役サイドの小治田教頭先生=リチャードも、どこか憎めない。

やっぱこの話で一番悪人は、助手の半年がかりの、それも昇進できるかどうかがかかっていた研究データをさっぱりうっかり消去しちゃった小川先生じゃないの?(笑)
悪意がなかったとはいえさ。
ボケてたでは済まされない悪行だと思うんだよな~(^^;


あと、惜しむらくは、マドンナがそんなに活躍しなかったことか。
狐さんサイド、もうちょっとなんかあってもよかったかも。

「リチャード」とか「マドンナ」とか「かりんとう」とかね。
解説にも書かれていますが、出てくる先生方、そこはかとなく「坊っちゃん」パロディのようなところがあります。


しかし、ドラマで見てたからだけど、読んでる間中、鹿さんの声はもれなく山寺さんで再生されましたわ(笑)。
ドラマは流し見だったので、なんで雌鹿が男の声でしゃべってるのかわからなかったんですが、この謎も原作読んで判明しました。

やっぱドラマもちゃんと見てみるか~Ψ(`∀´)Ψ


で、京都・奈良・大阪ときたら、万城目さんの次回作は、やはり神戸が舞台なんですかね?(笑)



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