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プリンセス・トヨトミ【小説】

 08,2011 00:09
ほんっとに男どもはしょーがねーなぁ(笑)、というお話。

【京都「鴨川ホルモー」→奈良「鹿男あおによし」ときて、万城目さん作・三都物語(笑)最終の大阪編。タイトルにプリンセスとついているが、むしろノスタルジックな男性向けと思われる。】


プリンセス・トヨトミ (文春文庫)プリンセス・トヨトミ (文春文庫)
(2011/04/08)
万城目 学

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ちょうど出張で1日に往復10時間以上新幹線に乗ってないといけなかった日がありまして(^^;
その機会に読破。
本の中で主人公たちが東京→大阪の新幹線に乗っているシーンを、大阪→東京の新幹線に乗りながら読みました(笑)。

映画の前に読もう!と思っていたので、その目的は達したんですが、映画キャスト知ってから読んだもんですから、読後巨大な疑問が(^^;

映画って、旭ゲーンズブールは岡田将生くんだったよね???

背の高い、クールで優秀なフランスとの超絶美形ハーフ。
その条件はいいですよ。ぴったりです。
でも!

ゲーンズブールが男でこの話、成り立つのか????

いや、堤真一さんの松平さんはぴったりだと思うけど!



以下、情け容赦なくネタバレ。





荒唐無稽なトンデモ設定を、知識の裏打ちで強引に成り立たせてしまうのが、いつもの万城目さんワールドですが、この「プリンセス・トヨトミ」もそうです。

東京からやってきた会計検査院の3人。
その厳しさから「鬼の松平」と呼ばれる検査院副長の松平元。
抜けてて、いい加減だけど、たまに直感と運で奇跡を起こす「ミラクル鳥居」こと鳥居忠(男性)。
フランスとのハーフで、歩けばもれなく人が振り返る長身超絶美人の堅物、旭ゲーンズブール(女性)。

3人は、通常の調査を終えて東京に帰るはずだったが、調査対象だったOJOという謎の法人団体の存在から「独立国家・大阪国」が浮かび上がってきます。

大阪には、豊臣滅亡の頃から、国にも認められた秘密の独立国家「大阪国」があって、その国民は大阪中の男たち。目的は残された秀頼の遺児の末裔のお姫様を陰ながら守ること。
大阪城の地下には、現在の永田町にある国会議事堂そっくりな建築物があって、ちゃんと大阪国総理大臣もいる(関係者順番制・笑)。

その秘密を、大阪の男たち全員で守ってきたのに、松平たちの来阪で「大阪国」が白日の下に晒されそうになりさあ大変……というお話。



映画では鳥居さんとゲーンズブールの性別が入れ替わっています。
これが大問題でしてね!

原作では、超優秀で国家公務員試験主席、今まで女性が入ったことのない官庁の最上層部までゲーンズブールちゃんが踏み込んだことが、物語の後から明かされるきっかけになってるんですよ。
最後のオチもゲーンズブールちゃんが女でないと成立しません。

それを男でキャスティングして、どうするつもりだ、映画!Σ( ̄□ ̄;;;)!!

予告などを見ている限り、結構原作に忠実っぽい映像になっているので、よけいにどうなっているのか不思議です。

まあ、これは実際に映画見てみるしかないかぁ(^^;


もともと「粉モン帝国」「たこ焼き帝国」「独立国家」と呼ばれ、お上には反骨精神旺盛な大阪という妙な土地だからこそ、「大阪人の200万人の男全員が口を噤んでる、秘密が絶対に漏れないなんてあるか、そんなの!」という内容に、0.1%のリアリティを持たせるものがあるのかもねぇ(笑)。
大阪人なら、もしかしてひょっとして、万が一……ってなもんですねΨ(`∀´)Ψ

大ボラ話には違いありませんが、これ、東京だったら絶対に成り立ちません。


お話としては、万城目さんがご自身でおっしゃっているように「自分の故郷のお話」だからか、今までの「ホルモー」「鹿男」に比べて、非常にロマンチックでノスタルジックな出来上がりだと感じました。
物語の組み立てよりも、父と息子の絆が大きなテーマというか、主題なんでね。

「ああ、まったく野郎のロマンとノスタルジーったら、手におえないわね」と、大阪の肝っ玉かあさんたちが、フッと鼻で笑ってしまいながら、ちょっと愛おしく思うような、そんな感じ。
で、実際に物語のオチも、そういう感じで締められています。

その女性たちの代表が、フランスと大阪・桃谷(超下町・笑)のハーフ、ゲーンズブールちゃんなんですよ。
だから、映画での男のゲーンズブールの立ち位置が想像できない(^^;
キャラ変しないと、どうしようもないんじゃないかな?


そして、大阪国が縦糸なら、横糸として大阪国総理大臣・真田幸一さんの息子、真田大輔くんと橋場茶子ちゃんの物語があります。

この大輔くん。
小さな頃から女子とのおままごとが大好きで、お友だちも女子ばかり。
自分が女の子になりたいということを自覚してからは、日々近所の祠に「女の子になりたい」とお参りし、一大決心の末中学校にセーラー服で登校します。
小さな時から大人しかった大輔くんを、小さな頃から背中に庇ってケンカしてきたのが男勝りの幼馴染の茶子ちゃん。
セーラー服で登校して、イジメにあう大輔くんを庇い、とび蹴りで札付きの不良の鼻まで折ってしまうような、鉄火な女子。

実は彼女が豊臣の末裔で、中学生たちのお話も、もちろん後半ガッツリと大阪国のお話に絡んでくるんですが。

この中学生たちのお話のほうが、個人的にはちょっと微妙でね(^^;

重要な要であるはずの「女の子になりたい」という大輔くんの望みが、浮いているように感じるんですよねぇ。
大輔くん、女の子になりたいなりたいとは言うんだけど、性格や言動が女子じゃないんだものΨ(`∀´)Ψ
言動が女子的でなく、めっきりヘタレ男子そのものなので、性同一性障害に悩む、というニュアンスはあまりないように思います。

むしろ、原因は確かにセーラー服だったけど、「自分のしたいことをしたらイジメられた→それに、茶子ちゃんからの助けもあり、朴訥ながらも耐えて強くなっていく」という流れなので、普通にイジメられっこが強くなっていく成長ものに見えます。

最後には、ずっと守ってもらっていた茶子ちゃんに向かって「僕が守る!」と決意も固めるわけだし。

本文中の書かれ方としては性同一性障害っぽいんですが、描かれているキャラクターとしては、現実逃避や、世の中への無言の行動として変わったことするためにセーラー服着ることにした、というほうがぴったりする。
で、最後にでも強くなった彼が「もう、セーラー服はええねん」とか言ってくれたほうが、キャラとしての収まりはいいように思います。
いやもちろん、男前な性格の女子もいるわけですが、大輔くんはどう見てもヘタレ男子(笑)。

まあ、これも最後に大輔君が「女の子になりたい」と言っていることが、ゲーンズブールとの会話に設定的に絡んでくるので、ただのイジメられっこ設定にはできなかったんでしょうけど、素直に本文だけから受ける印象だと、やはり女の子になりたい男子には見えませんでしたねぇ(^^;


……上記の件もありーのなので、しつこいようだが、映画、本当にゲーンズブール男にしてどうすんだ???

綾瀬ちゃんと岡田くんキャスティングしたくて、でもそのまま鳥居を岡田君、ゲーンズブールを綾瀬ちゃんにはキャラ的に無理があるから「おお! 反対ならいい感じじゃないか!?」という理由だけで性別反対にしたんじゃないでしょうね?
ゲーンズブール=女性は、物語の要ですよ??? いや、マジで。
ゲーンズブール、ブスでも許せるけど、男性なのは物語的にどうなの???

これ、別に映画は映画でその設定で素晴らしくまとめててくれれば文句ないですが、なかなかハードル高い気がするねぇ(^^;(^^;(^^;


全体的には、多分、関西人のほうにウケがいいでしょう。
ちなみに、大阪人の場合、出てくる場所出てくる場所、ほぼ目に浮かんで脳内映像化に苦労しないでしょう(笑)。

そんな200万人もが一緒になって秘密を守れるわけがない、荒唐無稽すぎてバカバカしい、もっとリアリティのある設定を作れというような感想も結構見ましたが、そんなとこツッコンじゃおしめぇよΨ(`∀´)Ψ
そんなこと言ったら、オニも鹿男もオオナマズもリアリティなんかこれっぽっちもない。

万城目さんのお話は、ただ単純に読んで楽しむのがいいんじゃないかなと思います。
それにしても今回のはロマンティックでノスタルジックだったけどね!(笑)


ほんっとに男どもはしょーがねーなぁΨ(`∀´)Ψ



【余談】

めっちゃ個人的なお話ですが、2章の扉のイラストで描かれている、チャリンコに乗った後ろ姿の女性。
あれが、私の友人ではないか疑惑が局地的に沸騰中(笑)。
実際彼女はからほり商店街のあそこをよくチャリで通り、通った時に撮影してる人がいて写真を撮っていた記憶もあるそう。
チャリも靴も、チャリの付属物も同じ。
お父さんにも、ちっちゃい娘さんにも「これおまえ(ママ)ちゃうん?」と聞かれたそうです(笑)。




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