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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い【映画】

 02,2012 00:12
もう泣いた泣いた(T△T)

【「かいじゅうたちのいるところ」みたいな映画を好きな人には超推奨。「この映画泣けます!」的な感動の押し売りというわけではなく、とても真摯な映画です】


★「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」公式サイト



いったいなんのカンだったのか、CMかなにかでタイトル見た時に「Everything Is Illuminated(邦題:僕の大事なコレクション)」の作者の作品じゃないのか?」と思ったら、そのとおりでした。

ジョナサン・サフラン・フォア。
独特の小説の書き方をする人ですが、映画を見た後に、この原作も読んでみようと思いました。

僕の大事なコレクション」を見て以来だから、すごく久しぶりに思い出したよ(^^;
「僕の大事なコレクション」は「LotR」にハマった後でイライジャ・ウッド繋がりで、作者のことも物語も前評判もなにも知らずに見たんですがね(笑)。

しかし、「スピード」で出てきた時には元気のいいお姉さんだなぁという印象しかなかったサンドラ・ブロック。
いい女優さんになったなぁ!Ψ(`∀´)Ψ



以下、ドネタバレ注意。






主人公の少年・オスカー(@トーマス・ホーン)は頭は良いがコミュニケーションは苦手、アスペルガー症候群を疑われ、学校にも社会にも対応するのがスムーズにはいかない。
そんな彼に、「調査探検ゲーム」などを仕掛けて、他者とのコミュニケーションを取らせようと考えてくれるような優しいパパ(@トム・ハンクス)が、彼は大好きだった。

だが「最悪の日」9.11に、WTCにいたパパは、テロに巻き込まれ亡くなってしまう。

パパの死の1年後、ようやくパパの部屋に再び入ってみたオスカーは、そこで青い花瓶に隠されていたクラシカルな鍵を見つける。
それが、パパから自分への「調査探検ゲーム」だと考えたオスカーは、その鍵に合う鍵穴を探しに、ママにも内緒で鍵が入っていた封筒に書かれていた「Black」という文字を頼りにNY中のブラックさんを訪ね歩いていき―――というお話。


とにかく、主人公のオスカー少年を演じてるトーマス・ホーンくんがすごいですよ!
まさかの初演技とな!?

パパのトム・ハンクス、ママのサンドラ・ブロックはもちろん、父方のおばあちゃん(@ゾーイ・コールドウェル)、おばあちゃんちに間借りしている謎のおじいちゃん(@マックス・フォン・シドー)など、周りの大人たちは絶大な安定感で彼を支えています。

特に謎の間借り人―――実は彼は結局オスカーの父方のおじいちゃん(つまりおばあちゃんにとっては元夫)なわけですが―――この役がすんばらしい。
過去のトラウマで口がきけないおじいちゃんなんですが、両手のひらに「Yes」「No」とマジックで書いてあって(確か左がYes、右がNo)、オスカーとの交流も、筆談とこの手のひら会話だけで行うんですね。
このおじいちゃんが、途中からオスカーの鍵の探索に同行することになります。
「公共交通機関はテロに狙われやすく危険だから使わない!」「食事時間は17分!」とか、オスカー少年には自分で組み上げたルールがあって、年寄りなんだからとかいう容赦がまったくない。付き合うおじいちゃんがもう大変(笑)。
それでも結局はオスカーのほうを自分のペースに巻き込んでいって、電車にも乗れるようにしてしまうおじいちゃんがステキっす(≧▽≦)b
でもおじいちゃん、鍵の探索途中でおばあちゃんにおん出されちゃって、心ならずもせっかく心を開き始めたオスカー少年を裏切るように放り出すようなことになっちゃうんですね。

オスカーを心配するママは、自分も傷つきながら息子のことを心配しますが、自分に対して距離を置き、内緒でなにかを行動しているオスカーへどう対応していいか悩みます。

おばあちゃんはオスカーの住んでいるアパートメントの向かいに住んでいて、オスカーとトランシーバーでお話したりする仲良しさんですが、賢すぎる孫に戸惑いながら接している感じ。

家族それぞれがパパの死に衝撃を受け、それをどう消化していくか迷いながら、悲しみをなんとか癒そうと生きていくわけですが、お互いにうまく慰め合えず、どちらかというと「オスカーとママ」「オスカーとおじいちゃん」「おばあちゃんとおじいちゃん」という感じでこじれていきます。

特に、やはり子供でありコミュニケーションのうまく取れないオスカーが、抜き身のナイフのように周囲を傷つけてしまうわけですな。
それにブチ切れることなく、悲しそうな諦観と自責の念を持って受け止めるママとおじいちゃんがもう切ないのなんの(T△T)


まあ公正に言っても、オスカー少年、とってもえらそうな子供なんですよ(笑)。
かしこい子によくありがちな、大人より自分のほうが偉いと思っている神経質で生意気な子供。
そして、まだ経験もスキルもないので、自分を振り返ることも、言葉を吟味することもできない、追いつめられた子供。
でも、悲しんでいる「ブラックさん」に会うとキスする? ハグする?と聞いてあげる優しい子供。
そして、パパの死に非常なストレスと罪悪感を抱え込んでいる子供です。

実は「最悪の日」当日の朝、テロのせいで学校から早く帰されたオスカー少年は、帰ってきた少し後にパパがWTCからかけてきた電話に状況に怯えて出ることができず、「いないのか?」と繰り返すパパの留守電に吹き込まれる声をただ聞いていたわけです。
そして、オスカーが怯えてなにもできないあいだに9回繰り返されたパパの「Are you there?」が途切れた時、テレビ画面の中でWTCが崩れ落ちるという、どうにも取り返しのつかない状況を経験することになる。

ママにはそのことを絶対に話せず、その留守電に残されたパパの声を消すこともできず、留守電の機械を同じ機種の新しいのにこっそり取りかえたオスカーは、自分一人でその子供には抱えきれないような重荷を抱え込みます。
それも、ママへのいわれのない反発や遠ざけようとする行動に出てくるわけですねぇ。

途中途中でオスカーが、まだ出会って日の浅いおじいちゃんや、鍵さがしの相手のブラックさんに、この抱えた秘密の話をしようとするんですが、近しいママやおばあちゃんには言えず、でも黙って抱えてもいられないプレッシャーの大きさが痛々しいほどです。


「ママが代わりにあのビルにいればよかったのに!」
鍵の探索もうまくいかず、オスカーが癇癪を起こしてママに向かってそう言ってしまうシーンは、見ていて両方ともがつらい、緊迫したシーンでした。

「本心じゃないよ」と言うオスカーに、「いいえ、本心よ」と返すママの心の痛みったらもう、考えるだにツライものがあります(T△T)

でもそれでへこたれないのが、このサンドラ・ブロック演じるママのすごいところでね!
自分には内緒で、鍵穴を持つはずの「ブラックさん」を探し回るオスカーが、部屋に隠していた自作の『ブラックさんインデックス』や地図からオスカーの行動をトレースしていくわけです。
過去にオスカーが訪ねたブラックさんには電話をし、これから訪ねるだろうブラックさんには「こういう理由で男の子が鍵穴を探しにきます。よろしくお願いします」と先回りで挨拶をして回る。
ママの愛情深さ、出会った人々の対応などに涙しますよまったく!
↑そんなこんなで泣きっぱなし(^^;

まだ、ママがそんなことをしていると明かされる前に、訪ねて行った先のある工場で、オスカーが癇癪おこしてその工場の備品やらなにやらひっくり返して暴れるシーンがあるんですね。
いくら「パパが911で死んだ」と言ってやってきている子供だからといって、叱りもしない優しい(?)人たちだなぁと思っていたのですが、ママの先回りの挨拶もあってのことだったんだなぁと後から思いました。

「ママに僕のしてることがバレてるわけない!」と思っていたオスカーくんは、最後の最後で実はそんなふうにママに先回りされていたことを知り、ママの心配を理解して、ようやくママに寄り添います。

一生懸命探した鍵穴は、実はパパが自分に残した「調査探検ゲーム」ではなく、探し当ててみれば他の人のパパがその息子の「ブラックさん」に残したメッセージだったわけですが、オスカーはそれも受け入れ、そうしてようやく前に向いて進み始めるわけです。
オスカーがそこまでの心の変化を遂げるには、見ず知らずの町並みを歩く恐怖をタンバリンを鳴らしまくって紛らわしながら何百人もの見ず知らずのブラックさんに会い、ママとぶつかり、おじいちゃんとぶつかり、さまざまな経験をすることが必要だったということなんでしょう。

鍵穴探しの最後に、オスカーは訪ねたブラックさん全員に手紙を書きます。
受け取ったブラックさんたちの反応はさまざま。
もちろん、中にはオスカーの顔も見ずに追い返したブラックさんもいたわけで、そんな人には手紙も破かれてしまったりもするわけです。
ですが、ママがオスカーの探検ノートを見つけたり、オスカーが公園のブランコの座面裏に隠されたパパからの最後のメッセージを見つけたりする場面への流れとあいまって、とても良いラストシーンでした。

結局花瓶の中の鍵からブラックさん(息子)がなにを見つけたのか知りたかったんですが、結局それは最後まで出てきませんでした。
まあ、見せないのも制作側の意図なんでしょうね。


時系列が交差する構成、アスペルガー症候群を疑われ、どうにも上手くは生きにくいオスカーの性格と行動、口もきけなくなるほどのおじいちゃんの過去のトラウマ、映画の中では具体的には描かれないおばあちゃんとおじいちゃんの確執と和解。
いろいろな要素が詰め込まれているのに、破たんもせず、ご都合主義にも走らず、きれいに完成した映画でした。

多分、原作読んだらおじいちゃんのトラウマの原因とか、もっと出てくるんだろうなぁ。
「Everything Is Illuminated」とか読んでるとそう思う。


オスカーはブラックさんたちへの手紙と一緒に、おばあちゃんのところから出て行ってしまったおじいちゃんにも手紙を書きます。
文句と罵詈雑言を書くのを我慢して「帰ってきて」と手紙を送る。
孫にそんな手紙をもらったおじいちゃんは戸惑いながらも帰ってくるんですが、帰ってきたおじいちゃんがアパートの通路で待ってるのを、外出から戻ってきたおばあちゃんがちらりと見、黙ってその前を素通りしてしまうわけですね。
おじいちゃん超がっかりするんですが、でも、何メートルか先で立ち止まって自分の持っていた荷物を廊下に置き、そのまま部屋に向かう一度も振り返らないおばあちゃんの背中がとてもかっちょよかったです(〃∇〃)
おじいちゃんも、その荷物持っていそいそとおばあちゃんの後を追うしさ(笑)。


痛みも悲しみも、多くのブラックさんたちのいろんな事情も描かれているんだけれども、全体を貫く視線は淡々としながらもとても強くて優しい。
そんな映画でしたよΨ(`∀´)Ψ




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