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終末のフール【小説】

 26,2009 22:25
世界の終りに向けての短編集。

【伊坂作品にしてはちょっと異質な、ひとつのテーマにそった短編集。ひねりも伏線もそんなにない。必死に内容考えながらでなく、手軽にさらっと読めます。】


終末のフール (集英社文庫)終末のフール (集英社文庫)
(2009/06/26)
伊坂 幸太郎

商品詳細を見る



もういつ読んだかも定かではない大昔にですね、「ひとめあなたに…」という小説を読んだんです。
新井素子さんの。
「終末のフール」読んで、その本を思い出しました。

あっちは、あと一週間で隕石が落ちてきて地球が滅びます。さて、主人公はどうする?というお話だったんですね。

こっちはあと3年で隕石が落ちてきて地球が滅びます。さて、登場人物たちはどうする?というお話です。


新井素子さんの作品は、今思い返せば典型的は「読む年代を選ぶ小説」でした。
若い時に読んどけ?って小説とかマンガ、あるじゃないですか。
大人になってから読むと、冷めて読んじゃったり、そんなに感情移入できなかったりする作品。
あれです。

「ポーの一族 」とか「はみだしっ子 」とか、「赤毛のアン」とか「トーマの心臓」とかさ。
多感な頃にしか感じられない内容の本ってあるんですよねぇ。
私は結構ことごとく外して、大人になってから読んじゃったんだけど(^^;

もう今新井素子なんて読んだら、きっと苦笑しながら読まないといけないんだろうなぁと思いながら、今回「終末のフール」を読んで、めちゃくちゃ久しぶりに「ひとめあなたに…」も読み返したくなりました。

……しかし、今売ってるのか、あの本?(^^;
と、思たら、新装版が出てるよ。うわああ(笑)。



以下ネタバレ。



隕石が8年後に落ちてきて地球が滅びます、とアナウンスされた5年後の世界が舞台です。
つまり、3年後に地球が滅ぶ前提。

自暴自棄になった人たちが大暴れするのにも疲れ、奇妙な小康状態を保った時期の仙台でのお話。


あまりにも普通に始まるので、最初「終末」という感じはしなかったんですが、後々ぽつぽつといろいろなエピソードが織り込まれてきます。

ちょっとペット好きにはいやーんな「何故犬猫を見なくなったのか」エピソードとか。
何年かぶりに母校に行ってみたら、カピカピに乾燥した死体がいくつも転がってたとか。
マシンガン持ってお店を守る店長さんとか。
道端に転がっているたくさんの車の残骸とか。


8つの短編はそれぞれ単独のお話になってますが、前後で少しずつそれぞれの登場人物が出てきたりします。
みんなご近所さんだしね。

私が一番好きなエピソードは「天体のヨール」でした。
天文ファン、恐るべし(笑)。

「冬眠のガール」も好きかな。
賢明なかわいい女の子は好きだ(≧▽≦)b


あと1週間!と言われたら、パニックってるうちに死ねるのでしょうが、8年は長い。
自棄になって殺人を犯しても、ものを破壊しても、生き残っている限り我に返る時間がありありです。
希望も出てくるし。
もしかしたら、軌道の計算違いでぶつからないんじゃないか、とかね。

人間、そうそう8年間も狂乱してられませんよ。
いっそ「北斗の拳」みたいな世界になってしまってるなら別ですが、細々とでも普通の生活が続いているような世界ではね。

そのあたりの設定が、実は一番怖いところなのかも。

閉じ込められた世界での熱狂や破壊衝動から、いきなり一般常識の中に引き戻されるのは怖いぞお(笑)。
↑これ、一番感じたのは「蝿の王」です。
子どもたちだけ無人島に流れついてサバイバルするお話。
なんというか、ホラーではないぞっとするような怖さがあります。

まあ、正確に言うとこの話では「一般常識」の中に戻されるわけではありませんが。


ひとそれぞれの死にざま、生きざま、というような大仰なものはなく、全体的に波風立たず淡々とした印象です。
いや、世界的には波風立ってんだけどさ(^^;


隕石が、本当に落ちてくるかどうかも疑えるような書き方になっています。
はっきりとした起承転結というものもない。
いつもの凝りに凝った伊坂作品を期待してると、ちょっとハズされます。

めずらしく薄味な(?)作品ですね。


ちなみに短編すべて「なんとかの○ー○」というサブタイトルになってるんですが、いくつかはちょっと無茶なことになってます(笑)。
「ヨール」とか、ちょっと無茶!Ψ(`∀´)Ψ


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